Aries.

Home > 小話 > 50題 > 闇の眷族、みたいな――青い薔薇の祈り。

2012.09.16 Sun 闇の眷族、みたいな――青い薔薇の祈り。

歌さまのお題サイト50題に挑戦、なにもかもカネダ先生とヴァシリーサさんがイチャこらしているせいだと思いたい。(訳:今回も1ページ超過しました)









「アタシね、もしもひとつだけなんでも叶うなら、センセの顔、見たいよう」
「惚れなおすからやめとき」
 ぺたりと触れたてのひらから、先生がしかめっ面になるのが、なんとなくわかった。
 感触だけで表情を読むのはむずかしい。触れ合えばかたちはわかるけれど、見えているわけじゃない。だからがんばって想像する。
 先生の髪は黒、いつもぼさぼさ。目の色も黒。あごには無精ひげ。身長はあたしより低いけど、人種の差だから仕方ない。年齢なら先生のほうがずっと年上。まだこの国にサムライがいた頃、眷属になったと聞いた。人間だった時にはもう五十歳ほどだったらしい。
 たとえば先生が早世していたら、天羅の眷属にならなければ、あたしがサーシャの頼みを聞いて、彼の血混じりの妹を地祇から逃がそうとしなければ――出逢うこともなかったかもしれない。そう考えると、途方もない。
 なにかひとつでも過去の出来事がちがっていたら、こうして話をして、触れ合うこともなかった。いっしょに眠っているだけで、夢みたいな心地だ。
「じゃあ、まばたきするたびにセンセに惚れなおして、センセのこと、いちばん大好きになるよ? だめ?」
「アカン。……あんたきっとがっかりするで、ホンマおじいちゃんやなあ、て」
「しないよう! でも、じゃあ、センセのお願いも叶えてあげる。どうする? 若返る?」
 寝物語のかわりの、ほんの冗談。
 そんなつもりだったけど、先生はちょっとだけ黙り込んで、それからあたしのまぶたに触れた。撫でるように。くすぐったさに布団のなかで首をすくめると、そのまま胸に引き寄せて抱きしめられる。湯上りの匂いがした。
「こない生きてから若なっても、年甲斐のうて恥ずかしわ。なんでも叶うのやったら……あんたの目、見えるようになるとええなあ」
「さっきはダメって言ったよ? センセ、言ってること、めちゃくちゃだよう」
「せやったか? 堪忍、堪忍」
 とぼける先生に笑いながらキスをする。見えないから、唇にあたるまで何回も。
 恥ずかしがりの先生はちょっといやそうだけど、あたしは満足して、先生の胸に顔を埋めて背中に手を回した。ぎゅっと抱きつけば頭を撫でてくれる。
 ――ねえ、先生。
 あたしの目がもう治らないのとおなじで、どうしようもないことだけど。それでも、ひとつだけ願いが叶うなら。
 あたしはいちばんはじめに先生と逢いたい。
 だれよりさきに先生と出逢って、それで、いまみたいにこうしていられたらいいのにって、思うの。なにを悩むこともなくて。ほかのだれかを想うこともなくて。先生だけを好きでいられる。もう、そんなことありえないけど。
 きっとすごく、すごく、しあわせ。










ぶっちゃけ事後のふたり。(反転すると本文が台無しになる仕様。←

カネダ先生は若作り?童顔?なので、歳のわりには言うほどおじいちゃんにも見えないけど、本人はさりげなく気にしている模様。かわいいリサちゃんが若くて美人さんだから。若い連中ほどギラギラしてない、ほぼ枯れてるけど先生も男。ヴァシリーサさんは、カネダ先生のまえだと、本当、かわいいかわいいして?とばかりにおなか見せてる感じ。それにしてもイチャこらぶりなら、過去時間のイクヤさん×サキさんとも真っ向勝負できるんじゃないだろうか、このふたり。いやでもイチャらぶならキリヤマさん×リリコさんも負けてない。

青いバラの花言葉は「不可能」「神の祝福」「奇跡」だそうです。


関連記事
スポンサーサイト



Comments

name
comment
我が君 : URL

2012.09.18 Tue 21:56

カネダ先生の姿がどうしても想像できない(。´Д⊂)
おかしいなぁ??ちょい悪オヤジ系だろうか?ただのお爺ちゃんなんだろうか?ww

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2012.09.18 Tue 22:43

我が君
愛してる!※挨拶。
そしてもうメールで回答済みになっちゃったけど(笑) 先生は童顔の若作りなので、かわいい系のちっちゃいおっさんです(言い方w ちなみにヴァシリーサさんはモデル体型美人なので、先生との身長差は10~15センチくらいだよー♪

comment form

Trackback

FC2Blog User

  1. Trackback