Aries.

Home > 小話 > 闇の眷族、みたいな、初詣に行こう。 ~おみくじ編、その3~

2013.01.04 Fri 闇の眷族、みたいな、初詣に行こう。 ~おみくじ編、その3~

そういえばですね、ちょっとまえの我が家の10000ヒットお祝いに、真城 青瑛さまがイラストを描いてくださったのですが、それが! なんと! ゴウダで! ゴウダで!!ヾ(´∀`*)ノ

ありがたく強奪げふげふ拝領してきたのですけれど、そういえば載せる許可もらうのを忘れていた()ので、リンクからぜひご覧に行っていただければと! ゴウダ、こんなイケメンなのにあれだけ怖がられるとかどんだけの暗黒オーラ漂わせてるんだゴウダwww ちなみにイラストに妖精さんもいる気がするんですけど目の錯覚らしいです(笑)



というわけで、おみくじ編はこれにて完結!











「ユリ。手を出せ」
「なに?」
「かえてきた」
 言うなりジンホァさんが左手を開き、ユリちゃんは「わっ、わっ、」と慌てて両手を出して落ちかけたものを受け止める。
 ユリちゃんのてのひらをみんなで覗き込んでいると、ジンホァさんが言った。
「大凶のくじは護符と交換できるそうだ。お前くらいの歳なら、そういう子ども騙しがいいだろう? 利益があるかは知らん」
「あ、ありがと……」
 白い組紐のストラップに、ちいさなピンクのカエルがついたそれは、たしかに社務所にあったお守りだった。けれどもうひとつ。
「これは?」
「おまけだ」
 ジンホァさんは鳶色の目を細くして笑う。
 ユリちゃんのてのひらにカエルのお守りといっしょに乗っているのは、畳まれたままのおみくじだ。
「俺はくじ運がいいからな。大吉だぞ。あけてみろ」
「すごい自信だなあ」
「ちがっていたら、ユリの言うことをなんでも聞いてやる」
 さっさとひらけと、なんだか楽しそうに急かすジンホァさんに、ユリちゃんも面白くなったのか「なんでも聞く? 絶対だから、アキが証人だよ!」って言いながら、カエルのお守りを落とさないように帯に挟んで、いそいそとおみくじをあけた。
「――って、大吉だ! わあ!」
 さっきと同じように、今度は本当に万歳するみたいに、ユリちゃんはおみくじを持って両手を上げる。イクヤさんも囃すように口笛を吹いて、ゴウダさんはびっくりしていて、ジンホァさんは得意そうににんまり笑った。
「ジンホァちゃん、おっとこまえー。惚れちゃうー」
「黙れ殺すぞ」
 なんて、イクヤさんととっても小さな声で言い合っていたりするけれど。
 興奮しているユリちゃんには聞こえないみたい。
「カイ! カイ! 見て見て、もらった!」
 大吉!
 そう言って頭上でおみくじを広げてみせるユリちゃんの両手を、カイさんはがしっと掴まえて、さっきと同じに、ぐっと下にさげさせた。けれど、さっきのように、すぐにはユリちゃんの手を離さない。
 それにさっきよりも怒っているみたいな顔で。
「だ、か、ら……振袖着てる時ぐれェ女らしくできねェか、てめえは! にょきにょきにょきにょき腕見せて、恥ずかしくねェかよ!?」
「えー、そんなこと言ったらTシャツ着れないよね?」
「てめェが部屋着にしてる雑貨屋の服とコレはモノが違ェンだよキリヤマが泣きながらくたばンぞ、マジで……!」
「それはさすがに、この時期にTシャツ着ないから違うのはわかってるし」
「わかってねェだろ! ボケてンのか!? マジか!? つうか俺のことナメてンのかっ、あァ?」
「んー、カイ、なんで怒ってるの?」
「――ってねェよ!」
 カイさんはそう言って掴んでいた手をはなす。不思議そうに首をかしげたユリちゃんの様子に、急にハッとしたみたいだった。
 吊り気味の目を細くして笑うジンホァさんを横目でにらみ、舌打ちすると、踵を返して歩き出そうとするから、ユリちゃんがあわてて。
「どこ行くの」
「煙草だ。――待ってろ」
 ぶっきらぼうに言って歩き去ってしまったカイさんに、ユリちゃんはむっと唇を尖らせた。
「なんで怒ってんの?」
「男の悋気は醜いからな。気にするな」
「悋気?」
「カイさんもヤキモチ妬いたりするのねえ」
「やきもち?」
 ジンホァさんとイクヤさんの言葉を繰り返しながら、ユリちゃんはわたしを見て首をかしげる。どういう意味? って、たぶん訊かれているのだけれど。わたしもユリちゃんと同じように首をかしげた。
 もしかすると、カイさんが怒っているのは、イクヤさんがきれいなお姉さんたちと仲良くしている時にわたしが感じるみたいな、よくわからないけれどモヤモヤしてしまう気持ちのせい――なのかもしれないけれど。すると、どうしてカイさんがユリちゃんにモヤモヤするのか、説明がつかない。答えにはならないと思う。
「ヘンだよねえ」
 ユリちゃんがそう言うから、返事の代わりにうなずいた。
 ――と。
「同志……」
 それまで黙っていたクルルギさんが、ふと、ジンホァさんに声をかけた。
 振り向けば、クルルギさんは大きな身体をすこし丸めるようにして、自分の右手を見下ろしている。正確には、右手に持っているおみくじを。
 ジンホァさんもその様子を見て、怪訝そうにクルルギさんの顔を見上げて。
「なんだ?」
 どうした、と訊ねられたクルルギさんが、ジンホァさんに視線を向ける。
 分厚い眼鏡のレンズの奥で、クルルギさんの黒い瞳はなぜだかいまにも泣きそうだった。
「同志はなぜ俺のおみくじはかえてくれなかったのだ」
「……、は?」
「乙女のおみくじはすぐにお守りと交換してきたではないか……しかし、俺があれほど悲嘆に暮れ、今年に絶望したというのに、同志は俺のおみくじは交換してくれなかった……」
「よく考えろ、同志。あの時そんな隙があったか? そもそも、大凶のくじを交換する旨の張り紙は、おまえの目の前に貼ってあったものだ」
「あったのか?」
「正義の味方が注意散漫でどうする。立派なヒーローになれんぞ」
「立派なヒーローにはなりたい! なりたいが! いまは同志がなぜ俺を救ってくれなかったのかという事のほうが、より重要なのだ! 俺と同志の信頼関係と今後の生活にかかわる由々しき問題である!」
「クルルギ、」
「同志は俺の相棒ではないのかぁあああああああああああああああああっ!?」
 クルルギさんの叫び声はきっと除夜の鐘より遠くまで響いたと思う。
 わたしやユリちゃんといっしょに、耳をふさぎかけたジンホァさんがほんの小さく舌打ちして、左手でクルルギさんのおみくじをひったくる。すると、クルルギさんはちいさな子が泣き止むときみたいに唐突にぴたりと口を閉ざした。
 ジンホァさんはイライラの滲む、すこしだけ大きな声で。
「わかったっ、かえてくるっ、護符はっ?」
「うむ、カエルだ!」
「なぜカエルなんだユリと揃いになるだろう!?」
「しかしカエルのお守り、かわいいではないか……おおっ、そうだ、同志の分も、こちらの乙女と付添いの三人の分も買って、みんなでお揃いにすればいい。名案だ!」
「なんで俺がこいつらと、」
「いけないか?」
「――っ、とにかくっ。かえてくるっ。ここにいろっ」
 ずんずんと大股で歩いていくジンホァさんを、クルルギさんは手を振りながら見送った。
 その様子に唖然としているゴウダさんをおいてけぼりにして、イクヤさんとユリちゃんはおかしそうにお腹を抱えて笑っている。わたしが困ったように見ていると、イクヤさんは涙の溜まった目じりを拭いながら、はーっと大きく息をして言った。
「ね? クルルギがいると、あいつ、こわくないでしょ?」
「そうかもしれません」
 ユリちゃんの言うとおり、ジンホァさんは本当に『良い人』なのかもしれないと、思う。










クルルギさんは大事な食糧なので、なんだかんだ言っても強く出られないジンホァさん。がんばってw

そして欲望の赴くままにカイさんとユリちゃんの距離をぐっと近づけすぎた自覚はあるのです! お姉さま! ごめんなさいしかし後悔はしていない!(*`・ω・´)←自重して。

ユリちゃんは俺所属、って油断がつまりカイさんをのんびりさせてる気がするので、ジンホァさんがいい起爆剤になればいいなあと、思わなくもなかったり。ジンユリ恋愛シナリオはやはりファンディスクにしか存在しないのです!とか、そういう。ジンホァさんいろいろがんばれ!

おみくじ編は完結だけど、初詣、まだ本殿に辿り着いてないことに気づいたヘ(゚∀゚ヘ)フハハ


関連記事
スポンサーサイト



Comments

name
comment
misha : URL

2013.01.06 Sun 00:12

お、面白いこの人たち・・・orz(←笑い崩れている)

食糧だから強く出られないってどっちが主だか従だか分からなくてたまりません(涙)
そして小首をかしげるアキちゃんは相変わらずたまりません。振袖から美味しそうな腕がニョキってカイさんもお気の毒ならジンホァさんには目の毒(笑) 「ばいばーい、よろしくねーー」って手を振るクルルギさんはしばらく目に残りそうです(爆)

そしてゴウダイラスト拝見しました。すっごくいい感じですね!!!

ミズマ。 : URL

2013.01.06 Sun 23:01

素晴らしいゴウダですね! リンクみてきました。
でも第一声が「かわいい!」だった自分は、完璧にゴウダくんを把握しているんだなぁ、とw

カイさんwww 正月早々で受難すぎるwww 悋気ってか、悋気もあったけど、ユリちゃんの無頓着っぷりにそのうち胃が荒れてきそうだよなぁ、カイさんwww
たぶん家帰っても機嫌が悪いカイさん。寝る段になっても機嫌が悪くて、
「じゃあ、私もう寝るけど」
「……とっとと寝ろ」
「……カイ」
「あァ?」
「やっぱり、DVD観よ! 一緒に観よ! ソファで観よ!」
と、ユリちゃんがぐいぐい引っ張っていって二人でソファでゴロンとしてればいい。ユリちゃんのイイ匂いかぎながら、(クソ、……なんだかなァ)っつって、バカバカしくなって機嫌の悪さも溶けてくといい。そんで当然二人でソファで寝るわけですね。雑魚寝的な感じで。

>立派なヒーローにはなりたい!
なにこのクルルギさん、超ウケるカワイイんですけどwww
中二病というか、世の中に溢れている中二病って「ダークサイドに堕ちた俺カッコイイ!」な予感がするので、いっそ小二病とかなのかなぁ、と軽く思わないでもないですwww

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2013.01.07 Mon 23:20

ゴウダは、設定的に自分じゃぜったい描けないし、イラストにするのはムリだろうなあ――と、あきらめていたので、本当に感無量なのですー(*´꒳`*) しかもまさにゴウダ!というピンポイントでドストライクなイラスト!


mishaさま
抱腹、ありがとうございますー! きゃあああ((*≧∪≦))←喜びに微振動する卯月。
>食糧だから強く出られないってどっちが主だか従だか
ジンホァさんは、いわゆる「低俗な人間」ごときのクルルギさんを、自分がうまいこと懐柔して都合よく利用している――つもりなんですけど、計算高さがあだになって天然直情熱血型のクルルギさんに思いっきり振り回される運命にあります、きっとw どっちが主なのか従なのかw ユリちゃんの腕がニョキニョキ出てくるたびに生唾飲んで耐えるとか正月早々、胆力試されて目の毒ですね!(笑) アキちゃんは「?」と首をかしげると、脳裏に子猫がチラついて、はにゃーん///となります、卯月。
クルルギさんは身振りがオーバーなので、ジンホァさんが戻ってきたらバンザイしてお出迎えですw


お姉さま
気づけばさりげなくカイさん受難回、でしたwwwww 正月早々カイさんの胃腸に精神的アプローチをかけてすみませんwwwww←
ソファでごろごろしながらDVD観てそのまま雑魚寝するカイユリめしうまぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!(*´σЗ`)σvvv
ユリちゃんの背中のほうに寝そべってるカイさんが、何気なく片腕をユリちゃんの腰あたり抱くみたくひっかけてて、でもユリちゃんもとくに気にするでもなくてふつーにしてる――とか、そういうシチュが頭の中を駆け巡るんですけどこれはもうちょっと時間が経ってからですね、うん、きっとそういう距離感!(一人で妄想して納得する卯月)
いまはせいぜい、雑魚寝中に寝返り打った拍子にユリちゃんがカイさんに抱きつくか、カイさんが半分ユリちゃんに覆いかぶさるみたいになるかして、新年のあいさつにやってきたキリヤマさんに発見されて、カイさんがド突かれる展開がベターですね! キリヤマさんオチものすごくしっくりくるw 有能なできる右腕のはずなのに、キリヤマさんw
>世の中に溢れている中二病って「ダークサイドに堕ちた俺カッコイイ!」
そうかwwwwwそっちかwwwww小二病wwwwwうん、クルルギさんはまちがいなく、ヒーローになりたい小二病です!wwwwwツボッたwwwww

comment form

Trackback

FC2Blog User

  1. Trackback