Aries.

Home > 小話 > 50題 > 闇の眷族、みたいな――インディコを抜けよ。

2013.01.15 Tue 闇の眷族、みたいな――インディコを抜けよ。

歌さまのお題サイト50題に挑戦、絶賛シリアス脳展開中! いや、元から?











(ジンホァ――)
(さびしいわ、ジンホァ)
 俺は寂しくなかった、会えなくなればせいせいする、無知で非力で能無しの、おまえなどどこへでも行ってしまえ。恩知らずのシャオティエン。おまえなど。
 俺は、

 ――悪い夢を見た。

 いつのまに目を覚ましたのか、自分でもわからないうちに瞼をあけ、目の前にあるものを見るでもなく眺めていた。あたたかい布団のはしとベッドサイドの目覚まし時計。窓にひいた安物のカーテンに朝日はまだ透けていない。けれど、部屋のなかに溜まった夜の暗さは、すでに滲んで薄まりつつある。
 視界はくすんだ藍色で、なにもかも輪郭が曖昧だ。
 このまま目を閉じればどちらが夢だかわからなくなるのではないか、と、思う。
 現実味が欲しい。
 どんな陳腐なものでも、ありふれたものでも、くだらないものでもいい。はっきりと、いまが夢ではないとわかるように。なにか。たしかなものが。
 手を伸ばせば届く場所に、あるはずだ。
「クルルギ」
 ベッドを降りて、呼びかける。
 カーペットのうえに敷かれた布団のかたまりのなかで、ちいさく、うめくような声がした。もぞもぞと寝返りを打って、クルルギが薄目をひらく。寝覚めのかすれた声で何か言ったようだが、聞き取るのももどかしい。
 クルルギの太い首筋に触れれば、指先にはっきり、脈打ちながら肌のしたを流れるものの存在が感じられた。その流れを辿るように、指を滑らせ、筋肉ばかりがついた分厚い肩に手をかける。夢うつつのクルルギは眠たげに顔をしかめ、喉をうならせた。
 そんなに眠ければ眠っていろ。
 そのほうが手間がない、と、思った矢先、また薄目を開けてこちらを見るから面倒な男だ。どうせまともな意識もないだろうに。
「腹が減ったんだ」
 言い訳じみた理由を告げれば、クルルギはぼんやりまばたく。それだけだった。
 クルルギの血は苦くて不味い。
 肉も硬ければ、良い匂いのひとつもするはずがなく、およそ知る限り味わいは最低の最悪。どれほど牙を突き立て、噛み裂いて、溢れるものを飲み下したところで夢心地になどなれもしない――だから、いまだけは、気付けがわりにちょうどよかった。
 こうしていれば夢のことなど、じきに忘れてしまうだろう。
(さびしいわ、ジンホァ――)
 夜は明けろ。
 はやく、さっさと、朝になれ。



インディコを抜けよ




「今日もいいお天気だな! 同志、おはよう! ところでこれはちょっとワイシャツの襟のうえに出てしまって隠せんのだが、どうしよう……?」
「絆創膏でも貼っておけ」
「そうだな……むう、まえにキスマークを隠しているのかとさんざんからかわれてな。大変だった」
「そうだと言ってやればいいだろう」
「しかし俺のはただの歯型だ」
「ただの歯型で悪かったな……」
「そもそも同志は口紅をつけんからキスマークなどつくはずもない」
「……わかった、気が向いたらキスマークがなにか教えてやる。教えてやるからそれまでおまえのその恥ずかしいキスマーク感については、しゃべるな。頼む」
「?」










クルルギさん400cc以上食べられちゃってる気がしなくもないんだけどおよそ貧血と縁がない男、ちなみにクルルギさんの言う「キスマーク」は絵に描いたようなクチビル型のキスマークです。クルルギさん、ゴウダとチェリーボーイ同盟締結すればいいのに(笑)

インディコってなんぞや? と、思って調べたのですけど結局よくわからなくて(インディゴとは別?なの?)、とりあえず藍色のなにかっぽいということだけ把握できたので、まあ、そういう感じでこう……ね!? 卯月の消化不良はいつものことですよ、ね!?←

クルルギさんチはお手頃価格の賃貸住宅なので、お部屋はキッチンとリビングにバストイレ一体という間取り。二人暮らしにはちょっと狭い。ベッドは当然のようにジンホァさんが使用中。お風呂でドッキリイベントはわりと頻繁に巻き起こってるけどおおむねクルルギさんが一方的に大騒ぎして終わる、感じ。そのくせ仕事帰りに商店街の安売りとかに行き当たると男性用下着を大量に買い込んできたりして、「分けるぞ! 同志!」とか嬉々として分けっこし始めるからコイツ俺のことなんだと思っているんだとたびたび困惑するジンホァさん、みたいな。


関連記事
スポンサーサイト



Comments

name
comment
ミズマ。 : URL

2013.01.16 Wed 00:07

チェリーボーイ同盟www
クルルギさんは脳筋だなぁ、楽しいなぁ、たぶんいびきぐーすかで寝てたんだろーなぁ。血ぃ吸われても気にしないんだろーなぁ。こ、恍惚状態にも、なってないしならないんだろーなぁ。
……クルルギさんにそっち側のスイッチが入ったとしたら、ジンホァさん涙目で逃げ出す予感がするなぁ。

クルルギさんの血は不味くて、過去を呼び起こす微睡から抜け出せるかも知れないけど、ユリちゃんの血をもしジンホァさんが吸うときがくるのであれば、その甘さと引き換えにユリちゃんはどうしようもなく現実、過去を突きつけるような予感がするなぁ。ユリちゃんのがクルルギさんより優しくない予感がする。んまー、そんな予感がするってだけで、そんな場面を書けるかっつったらまたそれは別の話だしね!ヘ(´ω`)ゞイヤァ~

我が君 : URL

2013.01.16 Wed 13:44

やだ!!ゴウダとクルルギさんを一緒にしないで( ノД`)…

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2013.01.16 Wed 22:45

お姉さま
ジンユリ吸血イベントktkr! 
――と、思ったら先手を打って予防線を張られている、だと|ω・`)ギリッ…

ユリちゃんと恋愛ED迎えたければ、過去・現実との対峙および克服は必須ですよね。なにがしかの決着をつけてないと、ユリちゃんは見逃してくれなさそう……ていうか、なんかこう、ユリちゃんがしっかりしてるから、自分もちゃんとしないと恥ずかしくてそばにいられない、みたいな精神状態に追い込まれそうな感じが。クルルギさんはその点、ある程度なし崩し的に一緒にいられる気がしますよねえw よく言えば大体のことはあるがままに受け入れてくれそう、悪く言えば深く考えてなさそうなクルルギさんw

>クルルギさんにそっち側のスイッチが入ったとしたら
……ヤバいです、涙目のジンホァさんが可愛すぎてヤバいです。クルルギさんに押し倒されて抑え込まれて涙目になってるジンホァさん想像したら可愛すぎていっそクルルギさんのスイッチ入れてやろうかって気に(真顔)
クルルギさん、吸血鬼耐性がなぜかめちゃくちゃ強いので、操作系の邪視もきかないし、恍惚状態///にもなりません。ジンホァさんのほうは、まずいまずいと言いながらも生理反応で多少なりともポーッと酔っ払った感じになるので、クルルギさんに噛みつくたびに「(どうして俺だけ……!)」という屈辱を味わっていたりして。ジンホァさんの屈辱レコード、更新される一方だなあw


我が君
チェリーボーイ同盟、却下されたwwwww 我が君のゴウダ愛が深い(*´艸`)
まあ、クルルギさんはまだ二十代だから、同じチェリーでも四捨五入すると四十前のゴウダとは、チェリーの格がちがうよね! ゴウダは妖精にクラスチェンジ済みだし!(笑)

comment form

Trackback

FC2Blog User

  1. Trackback