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2013.02.16 Sat 闇の眷族、みたいな――埋没する世界の中で。 その3

歌さまのお題サイト50題に挑戦、今回はちょっと配分を誤ったのだよε(*´・ω・)з

というわけで、短めです。

過去時間のイクヤさん、常時ヘタレな正ヒーローの最ダメ期のお話なので、こういう雰囲気はちょっと……という場合はスルーしても大丈夫な仕様となっております。ようするに「雨の日に子猫を拾った」お話。

イクヤさんがダメ子なのは今にはじまったことじゃないから、大丈夫なんだぜ! という剛の者、猛者の方は追記からどうぞ。しかし卯月としてはこちらのニヤニヤ必須☆カイユリ小話をおすすめしたい心境です。わりと真剣にщ(゚▽゚щ)ニヨニヨ











 はぐれ者のユージンは、元はザ・デスの眷属だった。
 それがこうして、天羅の領内で使いっ走りの便利屋などやっている理由に興味はないが、使える奴だということはよく知っている。それだけわかれば充分だ。
「アンタが拾った子ども、やっぱり地祇の血族だったわよ。――地祇に後継がいるのは知ってるでしょう?」
「ああ」
「その父親は、地祇の純々血だったわけだけど……血族のアムリタに孕ませた子どもみたい」
「アムリタねえ」
「地祇の後継とは異母兄妹になるわね。もっとも、地祇はそんな子どもの存在を認めていないけど。不憫な子よ。アンタも、そりゃ面倒な身の上だろうけど。血統主義の血族に、血混じりとして生まれつくなんて――ぞっとしないわ」
「ふうん」
 続く報告の内容に歩きながら相槌を打っていると、ふっと、視界の端に映るユージンの姿が消えた。
 立ち止まって振り返れば、足を止めたユージンが睨むようにこちらを見ている。あいだの距離は二歩とない。手が届くほどの場所だ。
「アンタ、どうするつもりよ」
「どうって?」
 わざとらしく訊き返せば、ユージンはさらに表情を険しくした。
 苛立っているような、もどかしそうな、それでいてどこか怯えるような。
「地祇はその子どもを殺すように命じているの」
 どうするつもりよ、もう一度同じことを言うユージンに。
 笑い返す。
「仕事とプライベートは別、なんだろ?」
 ジャケットの内側から引っ張り出した分厚い封筒をユージンの手元に放り投げた。振り込んだ分と合わせれば、今回の依頼のお駄賃になる。
「――じゃあな」
「ちょっと、」
 封筒を危なげもなく受け取ったユージンは、反射的に食い下がろうとして、ぐっと唇を噛むように噤んだ。仕事とプライベートは別。お利口なはぐれ者。生太刀(おれ)に深入りしたってろくなことはない。よくわかってるじゃないか。だから長生きできるんだろう。
 適当にひらひら手を振って、背を向けて歩き出しても、もちろん追いかけてくることはない。そのうち気配もなくなった。すぐにねぐらも連絡先も変えるのだろう。もしかするとしばらく潜るのかもしれない。
 つぎに探すのがまた大変そうだ。
(――それまで俺が生きてれば、だけど)
 話しはじめにユージンから受け取った紙を見る。書いてあるのは十桁ほどの数字。あの子どもの身の上話なんか、これのついでみたいなものだ。
 ユージンに調べさせた電話番号は、むかしのままだった。
 もう十数年前の番号を、まだ残していたらしい。あの馬鹿は。こんな年季のはいった連絡先、プライベート用にだって、もう使えやしないだろうに。そう思えば頬に引き攣るような違和感があった。笑おうとしているのか、俺は。
「あ――……」
 お互い未練だな、と、言えるならよかった。
 そう言えるほど安らかな気持ちには、けれど、まだ、なりたくない。



 ――しあわせに生きる秘訣は、なにか。



 それは、悲しみに涙するまえに、苦しみに絶望するまえに、不幸に足掻くまえに、やめてしまうことだとサンジェルマンは言った。大始祖の直系であり、ただひとり現存する一世の始祖は、鳥のさえずる庭園で。あたたかな日差しのなかで。その瞳の色を隠したまま、慈悲深く微笑んでいた。

(だから、きみははやく死にたまえ。生太刀。幸福なうちに)










完っっっ全に、配分見誤ってた……ヘコむorz

そろそろサンジェルマンも出したいな、っていうことで、ちょっとだけ。サンジェルマンっていうか、あれだ、始祖十一人をまずフルコンプしなければいけないのに今もって残りの二人が未定っていう。どうしようかなあ。見た目スローライフ系でたくましいムキムキの体に擦り切れたオーバーオール着てニワトリとか子豚抱えて日に焼けた顔でニカッと笑う白い歯、みたいな、牧場にいそうな総領とか、でも総領だからそんなでも裏ではめちゃくちゃやり手でツテもコネもカネもある、みたいな。そういう。これは穏健派総領っぽいなあ、おやっさんと仲良さそう。

過去時間編もできれば10回程度にまとまると、いいなあ。※希望



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Comments

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ミズマ。 : URL

2013.02.16 Sat 15:54

スローライフ系がいるのであれば、
「現在の世の中で吸血鬼という存在のイメージを決定つけたのはおまえだろう、いや、おまえだな!!」
という人がいても良いと思うのw
燕尾服?でー、黒いマントの裏地は赤でー、太陽苦手な夜型でー、狭いとこ好きだから箱の中(つーか、棺桶)の中じゃなきゃ眠れなくてー、でも美形でー、美女はべらせててー、恥ずかしげもなく「夜の貴族」とか名刺の肩書きに書いちゃうようなwww
それでいて、同族の中だと最強に近い人で、頭悪そうに見えるけど、他者に利用されるような馬鹿ではない、とか。
……設定だけ詰め込んだけど、書ける気もしないけとど、言うだけタダだもんね!←

ユージンさんが本格的に好きかもしれない。経歴が気になるなぁ。
そして万を辞して登場のサンジェルマン!!! やだイクヤさん、「幸福なままで死ね」って、愛されてたんじゃん!←?
そしてイクヤさんがゲットした電話番号は……漆黒の妖精のなんだろーなぁ。
番号変えずにおいた彼の気持ちが切なくて、まさに妖精だなぁ、と←断定したけど、違ってたらどうしよう。
でもあのイクヤさんが電話番号覚えてるぐらいの知り
合いって、たぶん他にいないと!!w


そして、アキちゃんのママはアムリタなんだね!
カイさんとユリちゃんの間に子供できたら、アキちゃんとほぼ同じような血なんだなぁ、と思いました。

あと(おそらく)7回! 星座待機です!!

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2013.02.17 Sun 00:00

お姉さま
>恥ずかしげもなく「夜の貴族」とか名刺の肩書きに書いちゃうようなwww
ぃいいいいいイタイイタイイタイwwwww 厨二だ! このひとこそ厨二だ!wwwww
元祖吸血鬼系総領、良いですね! 美形は美形でも、なんだろう、幸薄そうな、病弱そうな、顔色悪いし顎も削げてる感じの美形がいいです。吸血鬼感割り増しでw でもじつは頭いいとか卯月も書ける気がしませんけど(オイ、 でも、これは良いなあ……がんばって書きたいなあ(*´꒳`*)

>ユージンさん
設定はいまのところ「ドレッドヘアのオサレな姐さん」「ルージュはひくけど服装は男物」「基本、右」「元人間」「若い頃はヤンチャしてて、吸血鬼になれば贅沢に暮らせると思って眷属になったけど、血統主義のザ・デスじゃ眷属なんてたいした扱いされないからイヤになったはぐれた」「カネダ先生と同い年くらい」「彼氏募集中」です(*´ゝv・`)ノ

>サンジェルマン
そうか! あれは、愛か!щ(゚▽゚щ)キュピーン☆ いつかもっと濃く登場させたいな、と。声音はイクヤさんと同じ感じでご想像ください(笑)

>電話番号
そうです、漆黒の妖精です。イクヤさんぼっちなんで空で覚えてるのはゴウダ番号くらいです、ご明察!(笑)
中学後半から使ってる番号で、サキさんも知ってる番号でした。

>アキちゃんのお母さん
アムリタといってもユリちゃんほどすごいアムリタじゃなくて……と、いうか、血統主義のアムリタってたぶん、一握りの「すごく美味しい高級アムリタ」以外は、品質管理されてなくて、ジンホァさんが言ってたような消費されるだけの存在、だと思うので、アキちゃんの血は特別美味しいってこともなかったりします。
かつ、じつはさりげに「混血の血はおしなべて苦い・まずい・微妙」という設定があったりしたりして。クルルギさんは混血じゃないけどふつーにまずい(笑)
ユリちゃんとカイさんに子どもができたら、どうなるのかなー? 基本設定どおりなら美味しくないはずなんですけど、カイさんのコックの執念が実って、突然変異的にめちゃくちゃ美味しい血の子どもが生まれたりして。それでますます料理人としての自負を確固たるものにしながら、嫁も子どもも美味しそうでどうしようって自分の首をしめているカイさんw カイさん可愛いですwww

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