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2013.05.06 Mon 闇の眷族、みたいな改めNovluno Child 『ハロー、ハロー』

さりげなく、漆黒のフェアリー強化月間です。

ちなみに、時間としては過去、ちっちゃいアキちゃんが夜会に迷い込む話の後日で、アキちゃんのケータイの電話帳の登録がちょっとすごいことになるきっかけ的な、そんな感じ。










 かわいい色、というから、桃色にした。
「女の子にピンクってどれだけ発想が貧困なんだよ、お前さ」
「……」
「まーうちの子が持ってりゃ可愛いけど」
 ならばなぜ文句を言うんだ、と視線に込めてみたがもちろんこいつは気にしない。雷の鳴る悪天候のなか、夜会のあった日から数日とかけず用意してやったことに対する礼もなかった。最初から期待などしていなかったが。
 それなりに整った身なりの上着のポケットから細長い紐を引っ張り出し、手のなかで細工しながら、生太刀は腰をかがめつつその呼び名を口にする。
 天羅別邸の庭で、日向ぼっこを兼ねた散策をする子どもの名前を。
「アーキーちゃーん、おいでー」
「はい」
 律儀な返事がたしかに聞こえると、テラスにいる生太刀のもとに、彼女はとことこと小走りに駆けてきた。やわらかそうな髪をふたつに結わえた、十歳ほどの子ども。
 彼女がほんの近くでぴたりと立ち止まるタイミングを見計らい、生太刀は手を伸ばして持っていたものを少女の細い首にかけてやる。胸に落ちてきた質量をちいさな両手で受け止めながら、彼女は色違いの目をぱちぱちとしばかたせた。
 その頭を撫でてやりつつ、生太刀はにこにこと、笑っている。
「アキちゃんにあげるね。プレゼント。持って歩ける電話よ、携帯電話」
「けいたい?」
「近くにいない人と、おしゃべりできるの。こうしてね――」
 花柄のストラップで彼女の首にさがる携帯電話を手とり、生太刀が使い方を説明し始める。子どもに使いこなせるのか、と、真剣な顔でうなずきながら生太刀の話を聞く彼女を眺めつつ、不安になる。子ども用のものでなくて構わない、と、言ったのは生太刀だ。すぐに慣れるから、と。
 不意にポケットの中身がふるえた。
 取り出した携帯電話のディスプレイに、登録されていない、けれど見覚えのある番号の羅列が表示され、着信を知らせている。受話ボタンを押せばもちろん繋がった。
「はい」
「『――あ、』」
 感嘆詞とただの吐息が半々、くらいの声は、電話のスピーカー越しとほんの近くから二重に聞こえる。見れば桃色の電話を輪郭に添えた少女と目があった。
 ちいさな口を半端に開き、目じりの吊った猫みたいな目をまんまるにして、こちらをじっと見上げている。彼女のそばに膝をつき、電話のうえから彼女の耳を覆う生太刀は、彼女の反応を見て満足そうににやけていた。耳を覆ってやっているのは、スピーカーの音が聞き取りやすいようにだろうか。
「電話、ちゃんと聞こえるでしょ? もっとお話ししてごらん」
 生太刀に耳打ちされた彼女は、勢いよく何度もうなずいて。
「『ゴウダさん』」
「はい」
「もしもしって言うのよ」
「『もしもし』」
「はい」
 少女の頬が興奮気味に赤くなる。
 体をよじって生太刀に向き直ると、電話を突き出して何か言いたげに、もどかしそうにしはじめた。生太刀が電話を受けとって切電ボタンを押す。
「もっと喋れよゴウダぁー。せっかくうちの子ががんばって電話してンだから。ホント、お前って暗いわつまんねーわしょうがねェなあ」
「……うるさい」
「ゴウダさんに、電話、できました……!」
「うん、アキちゃんはなんでもすぐに覚えちゃうからお利口ね。俺の電話にもかけられるから、今度、ひとりで寂しかったり、俺やゴウダを探すときには、さっきみたくして電話してちょうだいね。すぐに迎えに行くからね」
「はい」
 こくこく、と勢い込んでうなずく動きにあわせて、左右に結んだ髪が揺れる。そのちいさな頭に手を伸ばして、そっと撫でてやりながら、生太刀は始終笑顔だ。むかしから見慣れている、あいつがよく貼りつけるように浮かべていた、打算や表裏のあるそれでなく。ただの、微笑みだ。
 あの女といた時でさえ、見たこともないような――。
「……」
 ともかくも、俺の用は終わっただろう。
 浮き上がりかけた思い出をもう一度奥の方へ押しやりながら、生太刀と少女の姿に背を向けた。夜会も終わって、そろそろ客人たちも帰り支度をはじめている。こちらも本邸に戻る準備など、やることはいくらでもあって、忙しい。
 生太刀はそもそも居着く男ではないから、彼女をつれてそのうち適当に家に帰るだろう。ほうっておいてもいい。必要以上に関わることもない。
 またしても上着のポケットがふるえた。
 当然、振動しているのは携帯電話で、着信は見覚えのある番号からで、受話すれば声はスピーカーとすぐ背後の両方から同時に。
「『もしもし、ゴウダさん』」
 振り向くと携帯電話を耳に当ててしゃべる少女がいる。
「『どこに行きますか?』」
「あの、屋敷の、なかに……入ります」
「アキちゃん、一緒につれてってって言いな」
「『つれていってください』」
「はい。……あ、でも、あの……」
「『つれていってください』」
 いったい俺に何をさせたいんだ、と思いながら生太刀を見れば、あいつはわざとらしい仕草で肩をすくめた。
「うちの子さ、ディナシーとアル・シャイターンに会わせてやってよ。もう帰国すンだろ、あの二人。せっかくケータイ持ったのに、登録が俺とお前だけってかわいそーじゃん。あの二人なら番号交換してくれっかもだし」
「お前が連れて行けばいいだろう……」
「やーだーよー、下手にうろうろして面倒な連中に捕まりたくねェし。天羅の屋敷ンなかならお前のが動きやすいじゃん。うちの子にだって、俺といるより当たりがきつくなンないかもだろ。――つーわけで子守りよろしく」
「おい、」
「アキちゃん、イクヤさんここで待ってるからね。こいつと探検しておいで。ディナシーとアル・シャイターンに、電話を見せてきてごらん」
「はい」
「おいっ、」
 生太刀はひらひら手を振って、テラスから庭のほうへ出ていった。
 追いかけて行こうかどうか、迷っているうちに、左手にあたたかく柔らかいものが触れてびくりとする。いっしょに取り残された彼女に手を握られたのだと気づいた時には、生太刀はさっさと遠ざかってしまっていた。
「ゴウダさん?」
 なかに入らないのか、と問うように首をかしげる彼女は、まだ電話を耳に当てていた。右手に持ったこちらの電話を確認すればまだ通話中になっている。子守りなんて。
 俺にどうしろと言うんだ、あいつめ。
「あ、の……じゃあ、なかに、入りましょうか……?」
「はい」
「……電話は、切っても、」
 ふたりきりで手をつなぐほどの距離にいるのに、通話するべき理由はない。
 ないはずだ、が、すべてを言い切る前に彼女がしょんぼりしたような気がして、ためらった。あからさまな表情ではない。だから見間違いかもしれない。けれど、やはり心なし頬の赤みも引いて、肩が落ちてはいないだろうか?
「あ、あ……ええ、と、あの、えと……」
 彼女の様子と、右手のなかの携帯電話を見比べる。本当に。本当に。俺に子守りなど出来るわけもないのに。お前のほうがなんだって上手くやるくせに。
 死んで小器用に生まれなおすにはどう考えても時間が足りなかった。
 今この場で出来そうなことと言えば、せいぜいがもう一度、電話を耳に当てるくらいだ。
「もうすこし、電話……で、しゃべります、か……?」
 俺の声は彼女の耳に二重に届いただろう。スピーカー越しと、直接に。
 わずかばかりうつむいていた顔が持ち上がり、頬にまた赤みがさして、左右で色違いの目が真ん丸に瞠ってぱちりとまばたく。こくこくと、勢い込んで何度もうなずく。
 手を引いてやると、彼女はためらうでもなく着いてきた。
 ちいさな手で、はぐれないように握り返しながら。

「『――もしもし、ゴウダさん。もしもし』」
「はい、アキさん」










というわけで、引き続きゴウダのターン! 今回はなぶられてない、よ!ヾ(´∀`*)ノ

アキちゃんはさりげにケータイ大好きっ子。仲の良い人と連絡がとれるから、ケータイが好き。基本的に電話とメールとカメラやメモ、電卓機能くらいしか使ってない。ネットのことはよくわかんない。そんなガラケー使い。ちなみに現在時間軸で使用してるのは二代目のケータイ。初代は水没させちゃってるからね!

アキちゃんのケータイに登録されてるゴウダの電話番号は、過去編でイクヤさんが入手したというかそもそも覚えてた学生時代に使ってる番号を流用してるケータイだったり、します。じつは。そこツッコむともれなくサキさんの呪縛発動するから回避したけど← ケータイ本体自体は最近のやつ。この番号はもうだれにも教えないから、プライベート使いのはまた別にあって、仕事用はたぶんスマホかな。何台も持ってるけど基本私用の着信は少ないフェアリー。強く生きて。

イクヤさんはこの次の年くらいにスマホにするんだと思う。この時点ではまだガラケー使い。イクヤさんは私用と仕事用と一台ずつ、かなあ。何台も持つのは面倒くさいと思ってそうな感じ。仕事柄、パソコンやネットなんか使うこともあるしそつなくこなすだろうけど、たぶんそういうのはゴウダのほうが得意そう。

カイさんはケータイだのスマホだのパソコだのなんだのじゃなくてオーブンとかレンジとか冷蔵庫って感じだし、キリヤマさんは眼鏡があれば充分だけどじつは超人的なドライブテクを披露してカーアクションとかやってほしい気持ちはある。書けません。だれか書いてくだs(ry


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ミズマ。 : URL

2013.05.06 Mon 20:13

>カイさんはケータイだのスマホだのパソコだのなんだのじゃなくてオーブンとかレンジとか冷蔵庫って感じ
通信機器じゃないよ、それ、朔ちゃん!!www
キリヤマさんはそうだね、運転、荒そうだねw 当初はおやっさんの運転手も務めていたと思うのだけど、死にそうな目に何度かあって(おやっさんがですけど)、別に運転手を抜擢したのだろうと推測w
「いやあ、まさかたかがドライブで死を予感するとは思わなかったなぁw」
それ以降、キリヤマさんは助手席に座ることになりましたとさ。
でも自身は運転好きそうだよなー。持ってる車はゴリゴリのスポーツカー。ゴリゴリの。おやっさんが乗ってるのはクラシックカーが良いと思うのです。

それにしても。
アキちゃんかわいいアキちゃんマジ天使アキちゃん、アキちゃんッッ!!!(*゚ノO゚)<オオオオォォォォォォォーーーーーイ!
イクヤさんがデレデレになるのもそりゃあ無理ねぇってなもんよ! アキちゃんがかわいすぎて、辛い……!!!

さりげなくもなく、漆黒のフェアリー強化月間だねぇ。ゴウダくん推し、良いのではないでしょうか! そのうちにゴウダくんのお父様とか弟君とかが出てくるのだよね?
そして弟分の方のヒロくんの出番とかも、きっと、ある、はず……!

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2013.05.06 Mon 22:17

お姉さま
通信機器じゃなかった! オーブン!Σヽ(゚Д゚○)ノ←
カイさん、スマホで自分の料理写メってる描写がちょくちょくあるし、料理関係で調べものとかしてるだろうからパソコンだのネットだのもそれなりに使いこなしてるんじゃないかなー……って、思いはするんですけど、最新式の業務用キッチン家電を120%フル活用してるほうが違和感なくてw むしろ違和感なくてw

>キリヤマさんの車
じつは卯月スッカリ忘れていたんですけど、キリヤマさんって運転荒いどころかちょー上手いんですよ、お姉さま! ダッシュボードの上に置いたコップの水を揺らさず走行できるようなひとなんです、忘れてましたけど! もうすっかりキリヤマさん=眼鏡100%でしたけど!(オイ、
キリヤマさんの車、スポーツカーっぽいですね。でも赤色は似合わなさそうだから何色がいいだろう(スポーツカーは赤いという発想w) 子どもがいるのでファミリーカーもありそう、ていうか最低でも三台は自宅の車庫に車もってそうw
あとおやっさんも車好きで無駄に持ってるので、天羅所有の車も好きに乗ってそうなイメージ。ゴウダが愛車にしてる外車も元をただせばおやっさんのですし。おやっさんはクラシックカーが好き! いいと思います! それがいいと思います雰囲気が出る、いい!щ(゚▽゚щ)

>アキちゃんマジ天使
ややこしくて面倒くさい精神構造のヒーロー二人をデレッデレにするヒロインです、アキちゃん! 可愛いですアキちゃん!(親バカ)
イクヤさんなんか本当に過去編のツンツンぶりと比べると「おまえ誰だよ(失笑)」みたいな変貌ぶりで……あとゴウダはなんでそんな小さい女の子に対してそこまで低姿勢なんだよ、と(笑)

こんな感じにアキちゃんのことを「小さな子ども・保護対象」だと思ってるのに最終的に欲望とか捧げちゃう漆黒のフェアリー! これフェアリーじゃなかったら完全に犯罪のラインだよゴウダ! よかったなゴウダ!

ちなみにフェアリー強化月間第三段がこのままうまくいけばヒロくんはキリヤマさんとBLの話をしています。(何事

そして順調にゴウダ父と弟が登場すると、カネダ先生死亡フラグが一本立つっていう……! まあそれだけで√突入するとか限らないですがもごもごにゃー[壁]д=)←

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