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2013.05.19 Sun Novluno Child――恋のような衝撃と哀情。 その3-3

歌さまのお題サイト50題に挑戦、ひきつづきフェアリー強化月間、あと2回では終わりそうにないんだゼ!?←









 女のこと。
 足元に落ちていた視線を思わず持ち上げれば、キリヤマさんはわかりやすいあきれ顔で細く息を吐いた。銀縁の眼鏡の奥から灰色の目がこちらを見ている。
「アキさんと何かあったんでしょう。きみが生太刀から彼女を預かったのも、首に怪我をつくっていたのも一週間前ですからね。――説明は不要です。大方、察しはつきますよ」
「あの、それ、は……彼女のせいでは、なくて」
「説明は不要と言ったでしょう。――が、これ以上引きずられても仕事に差し支えます。万禍識(きみ)がそんなふうにしょげていると、全体の士気にもかかわりますからね。いい加減、看過できません」
「キリヤマさん、」
「業務命令です」
 わざとらしいほど仰々しい言い回しに、思わず背筋が伸びた。
 キリヤマさんは至極真面目な顔のまま、眼鏡を軽く押し上げて続ける。
「きみはこれから生太刀のところにお行きなさい。とにかく問題を解決するように。今日中です」
「キリヤマさん、あの、」
「出来ないようなら、リリコに言いつけますよ」
 食い下がろうとした矢先の切り札に、思わずぐっと息を飲む。キリヤマさんの目がすこし細まって、意地悪く笑っているように見えた。リリコさんは、キリヤマさんの伴侶で、俺たちの子どもの頃の世話係だ。
 俺がこんな様子だと彼女の耳に入ったら――想像しただけで、背筋がぞくっとした。
「……わ、わかり、ました」
「よろしい」
 では、すみやかに。
 キリヤマさんはひどく簡単そうに言ってくれるが、気も足も重かった。それでも出て行かなければ、またおそろしい条件を付きつけられるに違いない。リリコさんだけでも充分なのに。上着とわずかばかりの荷物を手に屋敷を出ながら考える。
 問題の解決、など。
 ――どうすればいいんだ。



   ***



 キリヤマとしては、たとえばこれを機会にゴウダがあの地祇の混血の少女と縁切りできるのなら、それでもいいと思っている。むしろ、そうであればいいとさえ思う。
 後々のことを考えるなら、ゴウダは異性に対して友愛以上の愛着を抱くべきではないのだ。生太刀と愛し合った人間の娘の前例があるように。
 万禍識もまた、本来であればその存在を歓迎されるものではないのだから。
「まったく――」
 掃除道具を持って戻ってきたヒロと入れ違いに部屋を出、廊下を歩きながらキリヤマはひとりごちる。頭を振った拍子にずれた眼鏡の位置を指先でなおし、もう片手で携帯端末を操作していた。何気なく。既読済みのメールを表示させる。
 地祇の目に嬉々とした色を滲ませて、少女の持ち物らしい、愛らしい色の携帯電話を持って来た生太刀の娘と、私用のアドレスを交換したのはもう三、四年前になる。その場にいた総領天羅にけしかけられて、仕方なしだった。特別可愛がった覚えもないが、向こうはこの自分のことも、仲の良い相手だと思っているらしい。

   【 今日も あまり、たのしいことがありません。
     ゴウダさんとお話ししたいです。 】

 後々のことを考えるなら、万禍識は異性に対して友愛以上の愛着を抱くべきではなく、おなじように、だれかに親愛以上の想いを抱かれるべきでもない。そうなれば不幸だ。しあわせになるのは難しい。
 生太刀とあの娘がそうだったように。
(この子が、きっと最後なの。あたしの――)
(イクヤの赤ちゃん――)
 ささやかで、切実な、希望であり、願いだった。けれどそれさえ叶わなかったことを、キリヤマは知っている。いまのうちに断ち切ってしまえるなら、そのほうがよほど幸福だ。あの少女にとっても。ゴウダにとっても。
 そうだとわかっていても、なお、彼らがただの同族の子どもであったなら――と、詮無いことを考える。そんな甘ったれな感情は、出来ることならあの料理狂いの親友に丸投げしてしまいたい部分だというのに。
 叶うなら、自分は理性的で「親切な」大人でありたい。
「難しいですね、なかなか」
 メールの表示を消した端末をジャケットにしまい、キリヤマは細く息を吐いた。










アキちゃん、それはメールじゃない――日記だ。(迫真)

アキちゃんの日刊一斉送信メールは基本送りっぱなしなので、返信があってもなくてもとくに気にしない。ので、キリヤマさんはこれに返信したことが実は一度もないんだけども、毎日着信する。いちおう読んではいる。鬼だ地獄だと呼ばれても、いちおう人の親。

アイアンハートっぷりなら実はおやっさんのほうが上かもしれない、とか。

とりあえずそろそろゴウダやキリヤマさんやヒロくん天羅チームがカッコ良くお仕事しているお話を書かねば、彼ら職務中に公私混同しちゃうカッコ悪い男みたいなイメージついちゃうんじゃない!? と、ひやひやしているわけです。普段はちゃんとビシッとお仕事してるんです! ゴウダなんかわりとヒロくんが信じてるみたいに「黙っておやっさんのそばに立ってるだけでいい」存在自体が天羅最強の矛&盾みたいな感じだし! というような、働く男性のカッコ良さ的なものをね、表現したいけどね、むつかしいね☆←



最近、ついったで妄想ネタ投下しまくってるもんだから、うっかりお話を書くことを忘れていたよっていうのが前回の更新からかなり間があいた理由だったりするわけで……もっと、ちゃんとバランスよくしなければならぬ、と。本筋あっての妄想だし! じつはもう本編スタートしてるし!ヾ(゚∀゚ゞ)ヤッフー!

テンションがおかしいのはここ一週間ほどなぞの鼻水&咳に悩まされているせいです、ぐぬぬー。


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Comments

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ミズマ。 : URL

2013.05.21 Tue 23:58

>アキちゃん、それはメールじゃない――日記だ。(迫真)
確かにwww アキちゃん、確かにされは日記だよwww

>今日も あまり、たのしいことがありません。ゴウダさんとお話ししたいです。 
誰かー!! 誰か、この文面ゴウダに見せてあげてー!! 誰かー!!(*゚ノO゚)<オオオオォォォォォォォーーーーーイ!
これだけ切り取ると、完全に相思相愛でほんわかカップルなのだがなぁ。いかんせん、イクヤェさんがいるからなぁ。

>あの料理狂いの親友
親友認定されてるよ、カイさん! 良かったね、カイさん!←
そうですねー、カイさんならばそう考えるだろうし、くっつくならくっついたで陰ながら全力でサポートするだろうしするんでしょうねぇ。でも直接的にくっつけるような行動はとらない。
「なるようになンだから外野が余計なクチ突っ込むモンじゃねェよ」とか。
かわりにユリちゃんがやきもきするのでバランスは取れています、大丈夫ですw

そして次回はゴウダくんが久々にアキちゃんと対面、すると見せかけて別の場面展開しそーだなぁ。どうだろーなぁ。どちらにせよ、楽しみでっす!

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2013.05.23 Thu 00:18

お姉さま
アキちゃんのプライベートだだ漏れの日刊一斉送信メールですw いつもはなにがしかの画像が添付されているのですけども、ここ一週間は添付画像なしなのでそろそろアル・シャイターンやディナシーが心配してイクヤさんに電話入れようとしているかもしれないw

>イクヤェさんがいる
イクヤェさんwwwwwwwwww扱いがwwwwwwwwww完全に邪魔者wwwwwwwwww

>あの料理狂いの親友
「……」
「……」
「……」
「……なんですか、きみ。その顔は」
「いや、なんだ……その、キリヤマよォ」
「歯切れの悪い。なんです」
「疲れてンじゃねェか? 大丈夫か? 何か食うか?」
「私からの親友認定を疲労による錯乱扱いとはいい度胸ですね」
ザッと百年来の付き合いだし、親友だと思ってる――はずですよね!? キリヤマさん!? と、お伺いを立てたら否定しなかったので親友だと思ってると思うんですカイさんのこと!(笑)
明確に口出ししたりはしないけど、陰ながら全力でフォロー&サポートしてくれるカイさん……素敵だなあ。表だって平静を装ってるカイさんにかわってやきもきしてくれるユリちゃんも可愛い! 可愛いよユリちゃん! その調子でアキちゃんとかゴウダとかの背中をドンドン押して! ください!

>そして次回は~
(お、お姉さまが卯月の場面運びをスッカリ読んでらっしゃるんだゼ……!戦慄)

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