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2017.02.14 Tue Novluno Child 『アムリタとバレンタイン』

卯月がタイムリーでイベントネタってすごくない!?
(更新がいつぶりだとかそれより先に書かねばならぬものがあるとか、そもそもリアルが切迫してるとか、うん…)

というわけで、お姉さま宅カイユリSSにのっかって!

追記からどーん。










「ううー、それはさあ、たしかに……こうなる予感はしてたけど!」
 リアル壁ドンは対処に困る! デジャヴ!
 荷物を胸に抱えたユリを左右の腕のあいだに閉じ込めたジンホァは、うろたえる少女の様子に口角を上げて目を細くした。
「なるほど、予感しながら、か。ならば期待に応えてやるべきだな? どうしてほしいか言ってみろ、ユリ。満足させてやる」
「なんの期待もしてないけど、どいてくれると嬉しい……な?」
「断る」
「満足させるって言ったのにーっ!」
 吸血鬼の嗜好品、アムリタのユリとしては、鬼神(グィシェン)の純々血が唇の奥に牙を覗かせているのもさることながら、まずは花もはじらう中学女子として、ひとけのない放課後とはいえ大陸系美人に通学路で民家の塀に壁ドンされている状況は、なかなか――居た堪れないものがある。
「今日、バレンタインだから、チョコ渡したいだけなんだってば……」
「だからこうしてやっている。年頃の娘はこういう迫られ方が好きなんだろう? 普段色気のないおまえが、ついに俺のものになろうと言うのだから、俺もすこしくらいムードを作ってやるんだ。ありがたく思え」
「ジン顔笑ってるからね? 面白がってるでしょ!」
「いちいち反応するユリが悪い」
 喉で笑いながら、「どこから喰われたいんだ?」と、本気なのか冗談なのかユリには判別しがたい雰囲気でジンホァが顔を寄せた。
 その顔に、ばん!と荷物を叩きつけ、ユリはぐいーっと押し返す。
「そういうのは、い、い、か、ら! これ、チョコね。ジンにはいつもお世話になってるし、ありがとうチョコ」
「感謝の意を示す渡し方とは思えんが」
「ジンが悪ふざけしなきゃちゃんと渡したよ」
 不服そうなユリと、いかにも少女らしい色合いのちいさな紙袋に目をすがめ、ジンホァは軽く嘆息した。
「――さっき、俺にどけと言ったな?」
「うん。友だちに見られたらこれはさすがにちょっとすごく困る」
「人間ごときがこの俺にここまでさせて困るとはいい度胸だ。が……そうだな、おまえの心がけ次第では、どいてやらんこともない」
「心がけって」
「俺に礼がしたいのだろう?」
 素直にうなずくユリに、吸血鬼はその牙と赤い舌をのぞかせて言った。
「おまえが手ずから食べさせろ。そうすればどいてやる」



「――て、言うことがあったんだけど。ひとつ食べさせてあげたら満足して、ここまでジンが送ってくれたし。一人で来たわけじゃないから心配ないよ?」
「そうでしたか。黄昏時にあなたに一人歩きをさせたカイには厳しく言い聞かせねばなりませんが……カイに代わってエスコートしてくださった彼にも、ぜひお礼を差し上げたいですね。私が。手ずから」
「そんなー、キリヤマさんまで。それより、いま、揺れた?」
「風でしょう」
 文明開化華やかなりし頃を偲ばせるアンティークの応接セットにちょこんとおさまったユリにかいがいしくお茶を給仕し、始祖天羅の右腕ことスカし眼鏡もといキリヤマは、白々しくも完璧に整った微笑でうそぶいた。
 応接室の壁際とテーブルの向こうでは、それぞれ、直立不動のゴウダと好々爺然としてソファに座る天羅が、本邸を震撼させたキリヤマの力場の高まりに表情を貼りつけたまま縮み上がっているのだが、ユリはいいお天気だったのにと首をかしげながら出されたお茶に口をつける。極上のアムリタである彼女を、いついかなる時ももてなせるよう、キリヤマが彼女の調理人に作り置きさせた茶葉で淹れたその飲み物は、今日もまたなんとも言えない風味でユリの眉根をきゅっと寄せさせるのだった。
「まあ経緯については私も従弟殿に注意喚起が必要だと思うところだがね。ユリくんから今年もこうしてバレンタインの贈り物をもらえるのは嬉しいね、ね、キリヤマくん」
「もちろんです御館様」
 にっこりと、今度こそ毒気のない笑顔を見せるキリヤマに、ほっと胸を撫で下ろす天羅である。これでも大始祖直系、十一人の総領のひとりだが、その腹心は鬼とか地獄とか呼ばれているので致し方ない。
「坊主もうれしいだろう」
「はい」
 黙っていれば黒服のギャングにしか見えないゴウダも、その手には可愛らしくリボンの結ばれた透明な袋を大事そうに載せていた。どこか鬱々として目元に翳りがあるのはいつものことで、その頬が心持ち血色がよくなっているように見え、残りのお茶を一気飲みしたユリは満足げにうなずいた。
「ラッピングが足りなくて、ゴウダくんだけ中身丸見えでごめん」
「いえ、十分です……ありがとうございます、ユリさん。お返しは、かならず……」
「いいよいいよ、ゴウダくんにも、天羅のおじさんにも、キリヤマさんにも、日頃お世話になってるから。そのお礼。ゴウダくんはアキへのお返しだけ考えてればいーの!」
「ですが……」
「まあまあ、坊主もユリくんも、野暮は言いっこなしだ。今年はブラウニーか。ちょっと食べてもいいかね?」
「――あっ、そっちは……」
 言いかけたユリのまえで、ハロウィンのあまりのシール(コウモリ)がぺたぺた貼りつけられたバレンタイン用の紙袋から中身を取り出し、天羅の目がしばたいた。
「どろだん、」
 本邸全体が激震する。
 ふたたびの揺れにユリは思わずソファに身を伏せ、もとから強張っているゴウダの表情が引きつり、天羅は命懸けで言葉を飲み込んだ。その背後でキリヤマだけが、柔和な微笑を保っている。
「今日は風が強いようです。帰り道、お気をつけなさいね。ユリさん」
「う、うん……?」
 そんなにだったかなあ、と身を起こして首をひねるユリ。
「おじさんと、キリヤマさんには、トリュフをつくってみたんだけど……ちょっと、見てくれが。ね……?」
「ああ、うん……いや、いやいやいや。贈り物は見た目じゃないよ。味でもない。気持ちだよ、気持ち。気持ちが大事だ。気持ちがね、うんうん」
「びみょーにフォローされてない気がするけど、ありがとうおじさん……でも、味に関しては大丈夫! のはず! 味見してないけど、でもでも、カイの言うとおりにつくったもん!」
「そうかい、なら安心だね!」
「うん! チョコもしっかり直火で溶かしたんだから!」
「「……、直火?」」
 自信満々なユリに、対して、天羅とその腹心は同時に察した。
「ん? なにか変なこと言った、わたし……?」
 きょとり顔のユリに、キリヤマは指先で眼鏡を押し上げると、ひと言断って応接室を出て行った。そしてほどなく――大きな紙袋を両手に戻ってくる。
 片手に三袋ずつ、計六袋の、チョコが満載の紙袋だ。
 それを応接セットのテーブルに置くと、銀縁眼鏡の吸血鬼は呆気にとられたユリに向かって、とてもいい笑顔でこう言った。
「ユリさん、カイに伝えていただけますか? ――きみへの預かり物がある、覚悟なさい、と」



「――て、言うことがあったんだけど。さすがに私じゃ全部持って帰れないし、ヒロくんが持っていくことになったんだ。ヒロくん、涙目だったなあ。大丈夫かなあ」
「そんなことがあったんですか」







未完です!←

ちょっと状況的に続きを書けるあてがないけどきっとこの(キラー)パスをお姉さまが受けてくれるって、卯月信じてる!!←

ひさしぶりすぎてユリちゃんのキャラトレスがてんやわんやで大変…すみません…(土下座)



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Comments

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ポール・ブリッツ : URL

Edit  2017.03.14 Tue 22:49

ホワイトデーだからでもないですが、件の残念なやつにひさかたぶりに登場してもらうことにしました。

http://crfragment.blog81.fc2.com/blog-entry-3057.html

お暇なら読みにいらしてください。

: 承認待ちコメント

2017.04.02 Sun 21:41

このコメントは管理者の承認待ちです

: 承認待ちコメント

2017.05.13 Sat 00:14

このコメントは管理者の承認待ちです

: 承認待ちコメント

2017.05.30 Tue 23:24

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