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2011.04.13 Wed ミズマ。さまお誕生日おめでとうございます、のこと。

――卯月は寝てないからいまはまだ12日なのっ!(主張)



ま、まさか本当に書けるとは思わなかったのであわわわわ……書ける期おそろしいよ、やればできた。とりあえずできたけど、昨日(11日)からあわてて書きはじめて今日(12日)で、正味3時間強くらいで書いたのでものすごいやっつけ仕事ですごめんなさいorz

でも書けたので! 奇跡的にほんとうに書けたので! ミズマ。さまにお贈りしたいと思います!

プレゼント用にそれだけで完結したお話を書けるとよかったのですが、機転が利かず、魔女恋の番外のようになりました;;
追記に格納しておりますので、お暇な時にでもお楽しみいただければと思います<(_ _*)>









『sugar is sweet, and so...』




ケーキにムース、焼き菓子と、甘い果実に、たっぷりのクリーム――。



「ハロちゃんのお菓子は、どんな味がするのかなあ?」

魔法人形である彼女がそんなふうに言うのは、とても珍しいことだった。

食べ物について、見た目がきれいだとか、可愛いだとか、そういう感想しか聞いたことがない。だからてっきり、味には興味がないのだと思っていた。これはおいしい、あれがおいしい、と言うこともあるけれど。聞きかじりの知識を披露しているだけのようだし。

それが突然、どんな味かと不思議そうに言うものだから、クリームを泡立てていた手が止まった。これで仕上がりの弾力と舌触りに格段のちがいが出ることになるのだが、いまはもうそれどころではない。

「リーリィさん……おなかがすきました、か?」

我ながら、訊ね方をまちがえたと思う。
背中にぺったり貼りついて、こちらの手元を興味津々に覗きこんでいた彼女は、ふるふるっと首を振って応えた。それはそうだ。

「あのね、リーリィはね、おなかがすいたりしないんだよ? リーリィは、なぁんにも、食べなくってへいきなの。ハロちゃん、忘れちゃった?」
「むしろ憶えているから、びっくりして」
「びっくり?」
「リーリィさんが、お菓子の味に興味があるなんて、思わなかったんです」

さすがにいつまでも手を休めているわけにいかない。けれど、どうにも思考がうろうろして、クリームに集中できなかった。これはおそらく失敗する。頭のなかもまとまらない。お菓子の味?

あらめて訊ねられてみれば、それがどんな味か、なんて、あまり考えたことはないように思う。

いい風味になったとか、上手く焼けたとか、綺麗に盛れたとか、それはもちろん思うのだけれど。逆に、これは不味いとか、上手くなかったとか、もっとこうすればよかったなどと思うこともある。

けれど、それはたぶん――ちがうのだろう。

すくなくとも、彼女が知りたがっている味とは、ちがうような気がする。

陛下などは美味しい美味しいとずいぶん気に入ってくれているようで、だからこうして、たまに王城の厨房を一画借り切って、せっせと作っていたりするわけなのだけれど。

――案の定、クリームの出来はあまりよくなかった。

作り直そうかどうか、しかしもったいないから、どうにか誤魔化す方法がないか考えていると、急に両肩にぐっと重みがかかってくる。彼女が、背中にくっついたままぴょんぴょん飛び跳ねるようにして、肩越しに身を乗り出していた。

「ハロちゃん、ハロちゃん、リーリィが。リーリィが、味見をしてあげるー!」

こどものように、小さな口を開ける仕草がなんだかおかしい。さっき、自分で、なにも食べないんだと言ったばかりなのに。

「それじゃあ、すこしだけですよ? 味見ですからね」
「うん、ちょっとだけ、ね! あーん」

クリームをのせたへらを口元に持って行くと、彼女はぱくっと食いついた。もちろん食べる真似だけで、おおげさに頬をもぐもぐ動かしてから、ごっくんと飲み込んだ。

そして、笑う。花が咲くように。

「おーいしい♪」

あんまり満足そうに言ってくれるので、こちらもつられて笑ってしまった。首筋に抱きついてくる、彼女の髪が頬に触れてくすぐったい。

「ハロちゃんのお菓子はおいしいねえ。世界でいちばん、おいしいよっ」
「それはちょっと、褒めすぎです」
「すぎじゃないよー! まおーも、ヴァンも、ディアも、みぃんな、ハロちゃんのお菓子がいちばんおいしいって、言ってるんだよ?」
「じつは陛下のほうがお上手ですけどね」
「でもっ、でもっ、リーリィは、まおーじゃなくて、ハロちゃんのお菓子が食べたいの!」

白い頬をぷぅっとふくらませて、彼女にしては拗ねたように言う。

「リーリィは、なんにも食べなくてへいきだけど、ハロちゃんのお菓子は食べたいの……リーリィも、お菓子を食べられるといいのに」

最後のほうは声もしりすぼみになっていた。本当に残念そうだ。そもそも、彼女の自我は本心をとりつくろえるほど成熟していないから、心にもないことを言っているわけがない。

ふっくらしていた頬もしぼんで、うなだれるように肩口に頬をすりよせてくる。

それが、なんだか嬉しいと思うのは、ひどいだろうか?

「じゃあ……いつか、リーリィさんがお菓子を食べられるようになったら。僕がケーキを焼きましょう」

つくっておいた生地を引き寄せて、クリームをなかに入れるためにくり抜きながら言うと、しゅんとしおれていた彼女があっというまに顔を持ち上げた。ぱっと、表情が明るくなったのが見なくてもわかる。

「ほんとうっ!?」
「ええ、ケーキでなくても、なんでもいいですよ。リーリィさんが好きなもので」
「あのね、あのね、リーリィは、ケーキがいいよ。ハロちゃんの、ケーキがいいっ! まっしろくて、まぁるいケーキ!」
「それじゃあ、うえには何をのせるかも、考えておいてくださいね?」

きゃーっと歓声と両手を上げて、彼女はそのまま踊るようにあたりを歩き回った。ドレスの裾や袖にいろいろひっかけているようで、あっちこっちで何かが倒れたり作業台から落ちたりしている。これはあとで厨房長に叱られそうだ。

けれどいまは止める気にもなれなくて、笑いながら、生地のなかにクリームを詰めていると、すこし離れた場所から楽しそうな声が聞こえた。

「ハロちゃんがつくった、リーリィのケーキ! ハロちゃんのお菓子は、どんな味がするのかなあ――?」

魔法人形である彼女がそんなふうに言うのは、とても珍しいことだった。
だからこそ、嬉しい。

ケーキにムース、焼き菓子と、甘い果実に、たっぷりのクリーム――。

彼女のいつかのお楽しみ。
その時にもきっと、僕は、きみの笑顔を想うだろう。





「おーいしい♪」












ちょっと前に「ハロウィンとリーリィの話を~」とおっしゃってくださってたので、よーし!と、思って書いてみたわけです!どーん。

もっとラブってコメるはずが、ほぼ一人称みたいな三人称で書いたところ、予想外にハロウィンが枯れてて驚いた!ΣΣ(゚д゚lll) カーマイア城の臣下年齢順だと上から数えたほうが早いハロウィンさん、魔王より年上なんです美少年。

そして書いてるあいだじゅう、厨房長を出したくて仕方なかったという……! すさまじい誘惑。

厨房長は見た目ネズミさん。もうこれ完全に某レ○ーのおいしいレストランのイメージからきてるんだってわかってるけど変更できないくらいお気に入り。コック帽かぶったネズミ可愛すぎるのです。でも厨房長ネズミだけどじつうはもと傭兵団の団長で。各地を転々としながらスープなんだか泥水なんだかもわからない殺伐とした食生活を送っていたところ、たまたま拾った行き倒れの旅人がじつは伝説級の料理人で、そのひとがお礼に振る舞ってくれた料理を食べて美食に開花。旅団ごと弟子入りして調理を極め、放浪の料理人集団としてあっちこっち渡り歩いてるうちに即位したての魔王に呼ばれてカーマイアに入城。そのままお抱え料理人になったとか。そんな感じ。
かわいいネズミの厨房長が鬼軍曹みたいな口調でほかの料理人たちに檄を飛ばして晩餐作ってるところとかめちゃくちゃ書きたかったけど、そうするともうなにがなにやらになるので自粛しました。でもここに書いてしまったw

えーっと、ともかく、ハロウィンとリーリィのお話、いまはこんな感じになりましたが、お楽しみいただければ幸いです。

あと、うえでハロウィンが作ってるお菓子はぜんぶミズマ。さまに差し上げます。お召し上がりください(笑)


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Comments

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ミズマ。 : URL

2011.04.13 Wed 07:56

朝から電車の中でニヤニヤが止まらないんですけども!
ありがとうございまっすm(__)m!←

三時間の奇跡ですねぇ。堪能致しました。ってかハロさん、リーリィちゃん背中に張り付けたまんまお菓子作ってたの?なにそれかわいい…( 〃▽〃)
なんか他者の入る余地がないぐらいのかわいさです。思わず目が覚めました。
ハロさんのお菓子はいただけるということなので、遠慮なく食べますよ! ……横でリーリィちゃんに思いっきりガン見されそうですけれど(^_^;)

そして、ネズミ鬼軍曹…! その話ちょっと読みたゲフンゲフン。
あの映画のネズミさんってぇことは、サイズはネズミサイズ手のひらサイズですかね? 鬼軍曹なのにリーリィちゃんにマスコット・お人形・ぬいぐるみ的扱いを受けていると楽しいです、私が(笑)
厨房にリーリィちゃんがいるから出てこなかったんだなぁ鬼軍曹、と勝手に断定しております。
後でハロさん呼び出して、
軍曹「……おい(厨房の惨状に言葉なく青筋をたてる)」
ハロさん「申し訳ありません(青ざめて平謝り)」
とかやってくれると……!
軍曹の傭兵時代も良いですなぁ。ハードボイルドっぽい、なんか。一見クールで冷血だけど仲間思いとか。部下にすごい慕われてるといいと!
だけどリーリィちゃんにはぬいぐるみ扱いとか(笑) 女子供には優しいので甘んじて、黙って耐える軍曹と、その惨劇を影から見守る部下ネズミたち……!
いゃあ、ハードボイルドだなぁ(違)


ニヤニヤのお話をありがとうございました!
もって帰って額縁に入れて飾りますねッ♪ヽ(´▽`)/

ねみ : URL

2011.04.13 Wed 22:56

卯月さん、やるなぁっ・・・。
僕もミズマ様から可愛いセズクさんの
お話を頼まれたのですが・・・。
難しいですね・・・。

でも超がんばらないとっ!

卯月さんがかわいいと思う男(セズク限定)の
しぐさ(?)って何かあります?
(参考にするので←

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2011.04.14 Thu 22:14

ミズマ。さま
マジ・ミラクルです。ぜったい来月に持ち越すと思ったのに、さすが生まれ月でした4月!(意味不明)
ハロウィンさんがお菓子作ってるときは、大体リーリィちゃんはあんな感じで、肩に手を置いたりとか腰に抱きついたりしてる体勢で背中から製作過程を興味津々で見守ってます。あくまでも見守る。たまに手伝ったりとか。そしてその間のハロウィンさんはもうほとんどちっちゃい子にまとわりつかれても動じないお母さんの風格です。色気どこ行った―――――っ( ゚Д゚)!!
もうちょっとお話が進めば、ふたりの設定もいろいろ解禁になるので、よりラブってコメれる、はず、なので……いつかリベンジしたいと! 来年のミズマ。さまの誕生日くらいには、そう、なってるといいなあって……!(←
でもって厨房長とリーリィちゃんがwwwwww がんばって厨房長wwwwww
あれですね、土下座せんばかりに謝り倒してるハロちゃんを厨房長が無言の威圧感で見下ろしてる(作業台の上から)ところにリーリィちゃんがやって来て「あ! ネズミさーん♪」とか言ってものすごく無遠慮に両手でぎゅむっとホールドされて固まっちゃうとかわいいです(笑) 魔女○宅急便の、ぬいぐるみのふりしてた時のジ○゙みたくw 傭兵時代の厨房長はあれです、ナルニ○国物語のリーピ○ープ、クールめ。(もう映画ばっかりじゃねえかwww)
ともあれ、喜んでいただけたようで、何よりです<(_ _*)> ありがとうございます!


ネミエルさま
あ、そのお題卯月も拝見しました。レベル高いなと(笑)
かわいい、かわいいのは……かわいい……かわいい??? カッコイイキャラが「きょとん」として小首かしげたりするとかわいい、ような、気が、しなくもない。です。頭撫でたくなる感じで。
あと個人的に男性が袖まくってるのって好きです。腕がたくましいとなお良し。セズクはもどきでも最終兵器で、軍人さんだし、胸から二の腕の筋肉の付き方はいいと思うんですよね! と、こぶしを握って力強く言ってみる!!(←マテ、
あと和服着てほしい。(←お前の願望じゃねえか。
ていうかもうセズクならわりとなんでもOKすみませんおちつきます深呼吸しておちつきます;;;

ポール・ブリッツ : URL

Edit  2011.04.15 Fri 18:54

ある意味勝った。

わたしのミズマ。さんへのプレゼントにかけた時間は、正味十五分。

自慢になるかいっ(゜゜ ☆ぽかっ\(--;)

ねみ : URL

2011.04.15 Fri 19:20

ふはははっ!
どうやら俺が一番のようだなっ!

ミズマさんから出されたお題。
「可愛いセズク」さんを
完璧に書ききりましたよ!
卯月さんもぜひどうぞ!

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2011.04.16 Sat 21:19

あれあれ争いが勃発している!?(笑)

ポール・ブリッツさま
15分!? 早いっ、あいかわらずポールさまの筆、神速!!
卯月にもわけてくださいー;;;


ネミエルさま
くっ……う、卯月だって、ミズマ。さまへの愛の量なら負けません!!!
しかしセズク可愛かったぁああああああ(*ノωノ) じつはさりげにチラッと拝見済みだったりして、ふふふ。時間のある時にじっくり拝読させていただきますよ、ふふふふふv

ミズマ。 : URL

2011.04.16 Sat 21:55

知らないとこで争いが発生してますね(^_^;)

やめて!
わたしの為に争わないでッ!


……一回言ってみたかっただけです(._.)

卯月 朔 : URL いらっしゃいませ!

Edit  2011.04.17 Sun 21:13

ミズマ。さま
おまえのことで、誰にも負けたくないんだよ! おれは!
……ていうことを卯月も言ってみたいです、かわいい女性に。(←えっ、
しかしミズマ。さまモテモテですね、うふふふふv 

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